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Salonette

スキの情熱で世界を変える!――高野麻衣 公式ホームページ

スキの情熱で世界を変える! —— 高野麻衣オフィシャルサイト

Les Vacances de Monsieur Martin

降りそそぐ陽光、ブドウ畑とオリーブの木々、蝉の鳴き声。
昼間は時間が止まったように静かなこの村に、夜の帳が下りると人びとが集う。
夏の夜気に満ちる木々の香り、南仏の風にざわめく木々、虫たちの声。
五感がいつもより繊細になる。
そうしてピアノの最初の音が鳴る瞬間に、こうした自然が、
音楽を聴く喜びをより豊かに生み出してくれることに気づくのだ。

ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ・フェスティバル。
南仏プロヴァンスのリュベロンのふもとに位置する、小さな美しいラ・ロック村で、マルタンが1981年に創設した音楽祭だ。
彼がプロデュースするヨーロッパのピアノ音楽祭のなかでも最大のもの。
メイン会場のフロラン城庭園での野外コンサートに加え、周囲に点在する修道院や教会で、毎晩ピアノ演奏が繰り広げられる。
今年も7月19日から8月22日まで開催され、83,000人以上の聴衆を集めて大成功に終わった。
わたしはまだ、この魅力あふれる南仏の音楽祭は未経験なのだが、ピアニストの児玉桃さんや、もちろんルネ本人から薦めにすすめられていて、どんなにすばらしい「時」が過ごせるのだろうと、夢に見ている。
冒頭はIさんの音楽祭レポートを元にした。
今回の原稿の参考にと、ほかにも思い出があればと伺った。 

コンサートがない昼間は、セミの声を聴きながらパスティスをすすり、「本当になにもしない時間(=バカンスの掟)」を楽しむのもよいですが、それに飽きたら、ぜひレンタカーを借りて周辺の村をドライブすることをおすすめします。
石畳の路地が中世の雰囲気をかもし出す城砦の町ゴルド。オーク採掘で栄えた町ルシヨンのそびえたつ崖の鮮やかな赤土色と空の青さの見事なコントラスト。なぜ芸術家たちがこの地方に集まり、いかにしてインスピレーションを得たのかを体感できるような気がします。

極上のワインとハーブの効いたプロヴァンス料理を楽しむのもよし。
サント・ヴィクトワール山を眺めながら、セザンヌに想いをはせるのもよし。
まさに「ジョワ・ドゥ・ヴィーヴル(生きる喜び)」を五感で満喫できる環境が、ラ・ロック村の周りにはあふれています。
そして、いざ夜のコンサートに出掛けるとき、
「仕事を猛スピードで終わらせてコンサートにかけこみ、開演に間に合ったはいいものの、仕事の疲れから睡魔におそわれ、あぁこんなよい音楽を前にして、、、」
という日本での自分を思い出しては苦笑し、ここフランスでの時間のゆったりした流れ、南仏の陽光、人々の笑顔、といったものが音楽を聴くのに最良の要素であることに気がつくでしょう。

29e Festival International de Piano de La Roque d'Antheron
http://www.festival-piano.com/

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