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スキの情熱で世界を変える!――高野麻衣 公式ホームページ

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メイトとヴィレヴァンのあいだ


この夏、FRaUの読書特集号を読んでから気にはなっていたのだが、のだめ最終巻のついでに『海月姫』(東村アキコ講談社KC kiss刊)を読んでみたらすごかった。
なにがすごいって巻末おまけマンガの引っぱりかた…じゃなくてオタクとオシャレのバランス感覚。
あの、オタクくさいネームの数々は腐女子的なオタクが読んでもワカルだろうし、オシャレだいすきスイーツ女子が読んでも共感できるだろう。
基本はボーイ・ミーツ・ガールなのだ。kissなのだ。

しかしなにかが突出している。

そんなこんなで続きが読みたかったわたしはきょう、渋谷のアニメイトと近所のパルコにできたばかりのヴィレッジヴァンガードをはしごし、2巻と3巻をそれぞれ1冊ずつ買った。
どっちでも人気みたいだった。
  
 
アニメイトに象徴される(女子)オタク文化とヴィレッジヴァンガードを牙城とするサブカルのなによりの接点は、「ことば(パロディを含む)」と「日常のドラマ性」に対する強迫観念的なまでのこだわりだとおもう。
森羅万象ありとあらゆる事物に「意味」や「物語(の記憶)」を求めてしまう。
それが小説でもマンガでも日常会話でもなんでも。
よく母や妹とその日の出来事など話していて言ってしまうのが、
「……で、オチは?」
というセリフで、そう言うとたいていプリプリ怒られるのだが、このようにオチ=物語がないことがふつうの感覚であるとしたら、それを切ないまでに追い求めてしまうことこそオタク/サブカルの業である。

人気番組「アメトーーク」では、オタクの芸人たちと非オタクの蛍原徹がしばしば対立する。
たとえば聖闘士星矢の主題歌を音読させられた蛍原さんが、(「抱きしめた 心の小宇宙(コスモ)」はわかりやすいからいいとして)「あつく燃やせ 奇跡をおこせ」と読んで、
「ちがうよ!おこすぇー!!(←シャウト)だよ!!!」
と怒られるかんじ、これがオタク/サブカルにはよくわかる。テレビの前で、
「そうだよそうだよー!!!」
と叫んでしまう。
オタクにとって、なにか宇宙へのメッセージのようにネタを小出しにしたとき、それを拾ってくれるひとがいることほど幸せなことはない。

このような共通認識を持ったオタク/サブカルが、ともに東村アキコよしながふみ空知英秋を好むのは当然といえば当然のことだろう。
わたしが『海月姫』に一目ぼれしたのは、内緒で寮(男子禁制)に入れた女装美少年が「オレ」と口をすべらせた瞬間、ヒロインが「トレロ・カモミロ」(フルコーラス)を歌いきったシーンである。 

海月姫(1)

海月姫(1)

 

 

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