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スキの情熱で世界を変える!――高野麻衣 公式ホームページ

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【出演】Memories & Discoveries 第10回 「続・映画で出会ったラブソング」

出演 memories & discoveries Music Movie/ Drama

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『シーモアさんと、大人のための人生入門』©uplink

 

10月も半ばになって、急に秋が深まりましたね。

女優・朝倉あきさんのナビゲートでお送りするFMラジオ番組「Memories & Discoveries」、放送中の10月のテーマは「映画で出会ったラブソング」第2弾です。

もちろん、まもなく10/25に今年もスタートする第29回東京国際映画祭に向けての企画。オープニング上映に“稀代の音痴”が伝説となった実在のソプラノを描く『マダム・フローレンス!』が決定したり、マーラーのアダージェットが印象的な岩井俊二監督作『打ち上げ花火、上から見るか下から見るか』が野外上映されたり、音楽ファンにとっても楽しみな祝祭ウィークです。
映画祭にちなんだ4曲は以下のとおり。過去の映画レビューとともにご紹介します。
 
1) クープラン:神秘的なバリケード (10/11朝 放送分)
2006年に公開されたソフィア・コッポラ監督の「マリー・アントワネット」。
ヴェルサイユ・ロケを敢行しながらも、大胆に解釈した衣装や靴やラデュレのお菓子の色彩。マカロンカラーに彩られたフランス王妃の青春は、10年後のいまも女の子のバイブルです。
サントラもまた史実(クラシック)とイメージ(ポップス)を融合しつつ、綿密に練られた最高のプレイリストに。このクープランは史実を象徴する一曲で、実際にマリーが聴いていただろう音楽のひとつ。
 
2) シューマン:幻想曲 Op.17 ~第3楽章 (10/12朝 放送分)
~映画『シーモアさんと、大人のための人生入門』より
昨年、2015年の東京国際映画祭で個人的にグランプリだったのは、イーサン・ホークがJAZZミュージシャンのチェット・ベイカーを演じた『ボーン・トゥ・ビー・ブルー』でした。
そのイーサンが、直前に監督として製作したドキュメンタリー映画が『シーモアさんと、大人のための人生入門』(公開中)。じつは舞台恐怖症に陥っていたというイーサンは、老ピアノ教師と語り、その生きざまを見つめながら、演技をつづける意味を取り戻したのだそう。このシューマンは、シーモアさんが弾く印象的な曲のひとつです。
『シーモアさんと、大人のための人生入門』のレビューはただいまじっくり準備中。ここでは昨年の映画祭で執筆した『ボーン・トゥ・ビー・ブルー』(邦題:ブルーに生まれついて、11/26公開)をご紹介します。
 
3) シェーンベルク:浄められた夜 ~第5楽章 (10/13朝 放送分)
~映画『黄金のアデーレ 名画の帰還』
昨年の映画祭では、大好きな英国人女優ヘレン・ミレン様の来日もうれしかったです。デイム・ヘレンが主演した『黄金のアデーレ』は、裕福なユダヤの家庭で育ちナチス政権下にアメリカへ亡命した老婦人マリアが、母国に奪われた家族の思い出の絵画(クリムトがマリアの叔母を描いた国宝級名画)を取り戻すため、オーストリア政府相手に裁判を起こした実在の事件がモデルでした。
弁護士はなんと、亡命ユダヤ人のひとりだった作曲家シェーンベルクの孫の青年(ライアン・レイノルズ)。しかし彼は生前の祖父を知らない典型的アメリカンボーイです。そんな彼がマリアに巻き込まれるうち自らのルーツに目覚め、ウィーンで祖父のこの曲を聴き涙する――そんなシーンが印象的でした。
マリアの幼いころの幸福な回想も、いつもいつも音楽に満たされていました。音楽ってたぶん、そういう無意識の記憶を呼び覚ます力があるのだと思います。
 
4) ブラームス:5つのリート Op.49 ~第4曲 子守歌(歌:アンネ=ゾフィ・フォン・オッター)(10/14朝 放送分)
~映画『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』より
今年の東京国際映画祭のオープニングを飾るのは、クラシックがたっぷり使われた映画『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』(12月1日公開)。20世紀のニューヨークで、"絶世の音痴"にもかかわらず人気を博した実在のオペラ歌手を、ほんとうは歌が上手なメリル・ストリープが演じます。
この映画は私もまだ未見で期待が高まりますが、事前にいただいたサウンドトラックのリストから、「夢見るふたり」の夫婦愛が感じられそうなブラームスをご紹介します。オッターの声の包容力も、この音楽にぴったりです。 

 

映画にとっても音楽は、欠くことができない大切な相棒です。

それは人生にとって、音楽がそうであることと同じなのだと思います。

ここでご紹介した映画は、作り手が音楽を愛し、ただの道具でない相棒として大切にしている作品ばかり。なかでも『シーモアさんと、大人のための人生入門』で、私はイーサン・ホークという人のもつ“音楽性”に再び感動しました。

あの最後の言葉――あの言葉を聞くために、私たちは音楽を愛し、映画を見るのだと思います。

「Memories & Discoveries」は毎週月〜木 28時〜29時30分(火〜金 朝4時〜5時30分)、JFN系列32の全国のFM局(たとえば東京の場合はTOKYO FM、新潟の場合はFM新潟など)で放送中。

ネットからもお聴きいただけますので、ぜひ聴いてみてくださいね!

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