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【連載】ルネ・マルタンの音楽日記 第28回「ヴィア・エテルナ(永遠への道)」

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世界各地で年間1500公演を手がける音楽プロデューサー、ルネ・マルタンが、気になるアーティストや最新ディスクを紹介する音楽日記。

11/25発売の『ACT4』81号では、初の試みとなった世界遺産モン・サン・ミシェルでの音楽祭「ヴィア・エテルナ」をレポートしました。

タイトルの意味は「永遠への道」。マルタンが送ってくれた、震えるほど美しい写真とともに、 島の湾や修道院、教会を舞台に300人のアーティストが音楽で祈りを捧げたという「奇跡のような聖なる時間」をご紹介いたします。

ある種の音楽は、人間の祈りが姿を変えたものです。

そのような音楽が、強い精神性に満ちた場所、神秘性を感じさせる静寂な場所と出会う時、天からの贈り物としか言いようがない特別な時間が生まれることがあります。

この秋、フランスのモン・サン・ミシェルという特別な場所で生まれた新たな音楽祭「ヴィア・エテルナ(永遠への道)」は、まさにそのような奇跡の時間を人々と分かち合うためのものです。

ヴィア・エテルナは9月21日〜23日の3日間、周辺の9つの街の礼拝堂や美術館、図書館などで31公演を開催。クリスチャン・ディオール博物館のあるグランヴィルでも、数々のコンサートを企画しました。24日にはモン・サン・ミシェル修道院の聖堂、食堂、貴賓室、礼拝堂、騎士の間など6会場で、朝7時から夜8時頃まで29公演を行い、13世紀のゴシック建築世界遺産が、荘厳な音楽に包まれたのです。

(後略)

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出演アーティストはおよそ300人。中世やバロック時代の宗教音楽が中心なのだそう。

ピアノやヴァイオリン、写真のようなブラスの野外コンサートもありましたが、中心は声楽アンサンブル。モンテヴェルディからアルヴォ・ペルトまでを歌ったタリス・スコラーズ、ヴォックス・クラマンティス、そしてロシア正教会の音楽を披露したエカテリンブルク・フィルハーモニック合唱団などが大活躍したようすです。

キーワードは「スピリチュアル」。奇跡のような聖なる時間に触れるとき、人は魂を揺り動かされ、自分のなかにもともとあった豊かさの源に気づき、育むことができるのです。精神性を大切にしたこのモン・サン・ミシェルでの音楽祭、来年日本の世界遺産で計画中の新たな音楽祭の、大いなるヒントにもなりそうです。

大成功となったフェスティバルはもちろん継続決定。来年は9月19日~23日に開催予定とのことで、たまらなく行ってみたい……!

日本への「輸入」の可能性もあるそうなので、まずはそちらを期待です。

 

Via Aeterna | Festival de musique du Mont Saint Michel et sa baie

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さて、マルタン「今月のCD」はこちらの2枚。

1)エカテリンブルグ・フィルハーモニック交響合唱団

1枚目は、ヴィア・エテルナに合わせて特別リリースされたCDから。「指揮者は、オペラにおけるゲルギエフの助手でもある偉大な音楽家アンドレイ・ペトレンコ。素晴らしい声を持つ歌手60名が交代でソリストを務めます。ロシア1000年の伝統に浸れる1枚です」とマルタン。来年春、日本のラ・フォル・ジュルネでも入手可能とのこと。

 

2)マリー=アンジュ・グッチ「En Miroir」

「満を持して、19歳の若手ピアニスト、マリー=アンジュ・エングシの素晴らしいCDをご紹介します」とマルタン。「彼女にはジャン=フレデリック・ヌーブルジェのような非凡さがあります。深い知性を持ち、将来の最も偉大なピアニストのひとりとなることでしょう」と語る。東京のラ・フォル・ジュルネにも登場予定のため、いまから要チェックを!

 

まもなくラ・フォル・ジュルネ・シーズン。2018年のテーマ「新しい世界」については1月の音楽日記、またこのSalonetteでもお届けします。

大人のための知的好奇心マガジン『ACT4』、次号もお楽しみに。www.impresario.co.jp

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