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【連載】Febri「アニメファンのためのマンガ案内」第4回『ゴールデンカムイ』

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カルチャーマガジン『Febri』(一迅社)でのコミック・リコメンド。

「アニメファンにも読んでほしいマンガ」をテーマに、ジャンルを問わず注目の作品をご紹介しています。

第3回は『ゴールデンカムイ』。4月からのアニメ化も期待の、近年まれにみる骨太な「圧倒的エンターテインメント」です。

ゴールデンカムイ』がアニメ化されると聞いたとき、「2018年のアニメは伝説になる!」という予感が確信に変わったのを覚えている。ここ数年、つきあいのあるさまざまな派閥(王道派サブカル派、キラキラ少女漫画派など)のマンガ読みたちから、偏りなくおもしろいと名前が上がる作品だからだ。圧倒的エンターテインメント――それがこの作品のすごさだと思う。

ゴールドラッシュに沸く明治の北海道を舞台にした、冒険活劇である。日露戦争での鬼神のような戦いぶりから「不死身の杉元」とあだ名される元軍人・杉元佐一が、網走監獄の囚人がアイヌから奪ったという埋蔵金を捜し、アイヌの少女アシリ(●リは小文字)パと狩りをしながら旅をする。埋蔵金の隠し場所を示す暗号は、脱獄囚たちの体に彫られた入れ墨。杉元たちの前に、個性豊かな脱獄囚や陸軍や新選組の残党が次々現れ、奇想天外でハードボイルドな殺し合いが繰り広げられる。

その一方で、丁寧なアイヌの暮らし描写も人気を呼んでいる。これまでマンガで取りあげられることは多くなかったアイヌ文化が、狩猟と食生活を中心に、あたかもグルメ漫画のように描かれる。美少女アシリパの変顔や「ヒンナ(食事への感謝)」「オソマ(う○こ)」といったアイヌ語が出てくるたび、彼らがより好きになる。「日常」と「死」が、平然と隣合わせ。その、落差がいいのだ。

(後略)

近代史をぐっと身近にしてくれるギャグセンスと、狩猟やアイヌ文化に対するフラットで真摯な姿勢。

描くことの原動力とはなんなのか。そこにちゃんと、思いはあるのか。――そんなことを『ゴールデンカムイ』は、大笑いしたあとで思い出させてくれます。

虐殺器官』のジェノスタジオによるアニメも、杉元役に俳優出身・小林親弘(読書中の私の脳内ではCV細谷佳正だったが声質が似ているのでうれしい!)というストイックなキャスティングからすでに、期待せずにはいられません。

TVアニメ「ゴールデンカムイ」公式サイト

 

「おもしろいもの」を追求した真摯で誠実なエンターテインメントが、ともに大成功することを祈っています。

次号は4月中旬発売予定。どうぞお楽しみに!

www.ichijinsha.co.jp

 

Febri Vol.47

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